2022.02.09朝日新聞朝刊 10面 オピニオンを読んで

  投稿文の見出しのみ書出します。(投稿内容を転載できないので)

*丸裸にされた母、忘れられぬ。 *夫とプロの間で板挟みになった。 *「お湯が冷めている」夫は言えなくて。 ゴミ出しもたのみたいけれど・・・。 「ヘルパーがいない方が楽」とは。*どう褒め、どう注意・・・悩んだ。

 

 私見(ぼやき)

   結論としては、 ホームヘルパーと介護者との常識内容のちがいによるためである。すなわち、介護の常識は世間の非常識。世間(介護者)の常識は、介護の非常識でもある。

 多くの方が、訪問介護(ホームヘルパー)サービスの対象お客様は、要介護者を含めた家族全般と理解される。これが介護者(世間)の常識であろう。更に、一部の人には家事全般を世話する家政婦と思われている。介護世界の常識では、介護サービスの対象者は、要介護者・利用者さんのみである。これは医療・看護も同一である。医療・看護・介護とも、各サービスを受けそのサービス料を支払う方を、お客様とは呼ばず利用者と呼ぶ。あくまで保険給付サービスを受給する人(利用者)である。

 ホームヘルパーは介護に対する全般的な知識を有し更に技能研修を受けて、資格取得した専門職である。ずぶの素人が、無資格で行える職業ではない。職場では先輩から介護の指導訓練(OJT)を受けて、やっと独り立ちするのである。更に、ホームヘルパーは、既定のサービスをどのように行えば、要介護者に満足していただけるかを考えながら、サービスを提供しているのである。介護界での語りぐさを記載する。

 

 ヘルパーが食事を作り配膳しても、要介護者は箸をとろうとしない。料理がまずいのかを思い、どうして召し上がらないのと尋ねると、要介護者は飼い犬と一緒に食べたいと言われる。飼い犬の世話はヘルパーのサービス項目にはない。この時ヘルパーは独自判断で犬へ餌を与えた。要介護者は犬が餌を食べているのを見ながら、食事をされた。ヘルパーはこのような融通をしなさいと教育されているのである。要介護者がいつも庭の草取りをしていたから、ヘルパーさん、草むしりをして下さいとお願いしますか?要介護者の部屋の電球が切れていますので、購入してきて、取り付けてください。それは、チョット、甘えすぎではありませんか?

 

 介護者はホームヘルパーの作業状況を見るべきでない。要介護者から作業内容を聞き取り、正確にケアマネジャ―へ要望等を依頼するべきである。ホームヘルパーは作業内容を介護者に見せるべきではない。なぜなら介護作業の内容段取りで、ホームヘルパーの標準的な作業は、介護者の希望や無理な願望に沿った段取りにはならないことがあるからである。この両者の差が常識の差である。この常識の差が縮まないと、介護者はモンスタークレーマーとなっていく。ホームヘルパーはクレームを発生させないように、ビクビク、気を使いながら作業をしているのである。

 

 ホームヘルパーの言葉遣い、品格、融通性等の差異は、各個人によるものが多い。ほとんどの介護事業主は、接客態度、高度な介護技術・研修、躾教育等を行い、差異が無くなるように取り組んでいる。特に新人は介護技術マニュアルを提供・実践させて、サービス技術の差異を無くするようにしている。

 

 ホームヘルパーの役割を正しく理解頂けるように、今後、私はホームヘルパーと呼ぶのをやめて「訪問介護士」と呼称する。カタカナ語はやめにする。

 

 これが、ケアマネージャーの仕事ですか?

 単身要介護者の安全を確保するために老人施設へ措置入所させることになった。ところが当の要介護者は、入所をかたくなに拒否する。ケアマネジャーがその理由を尋ねると、数匹の飼い犬の世話ができなくなる。放置すると犬は処分場行きになる。そこでケアマネージャーは愛犬団体へ相談したところ、避妊処置や去勢した犬は、貰い手があり対応できるとの回答を得た。そこでケアマネージャーは、獣医の処置費用を募金して回った。その募金で処置した犬の対応を団体へお願いした。これでやっと要介護者は老人施設へ入所した。このケアマネージャーの対処が本当の仕事ですかね? どこかチョットおかしいと思いませんか? 

 本来は要介護者のケアプランを作成し介護サービスを提供させて、要介護者が、自立できるように支援することなのです。ところが実態は、良きお客様(要介護者)を獲得することが、老人ホームケアマネージャー(営業)の仕事なのです。

                            起稿    2022.02.10