朝日新聞 2019年11月19日 朝刊を読んで

 見出し:3人の介護 「しんどい」 敦賀 夫殺害容疑71歳 事件前に

 記事内容

  福井県敦賀市でKさん(男70歳)宅で17日朝、Kさんとその両親の一家3人の遺体が見つかった事件で、県警は同日夜Kさんに対する殺人容疑で、同居している妻(女71歳)を逮捕した。妻は3人の殺害を認め近所の人によると、事件前、「3人の面倒を見るのでしんどい」と漏らしていたという。一家は4人暮らし。Kさんは軽い脳梗塞で足が不自由、義父(93歳)、義母(95歳)で、義母は要介護の認定を受けていた。容疑者(妻)は3人の食事や身の回りの世話をしていた。また、現役で建設会社の会社役員をしていた。

 

 私見

  亡くなられた方々のご冥福を祈ります。

 またまた、介護殺人事件が発生してしまった。記事には妻の状態(体調)が明記されていない。妻が自殺を図ろうとしていたら、これは無理心中である。介護地獄から逃れるために手段である。両親の介護や世話は長男嫁の責務責任と一般世間はみなしている。老々介護の悲惨な事例であろう。なんとも痛ましい限りである。

 介護保険は、要介護者だけのものでなく、介護する人のためにもある。せめて、義母だけを老人ホームに入所させる手立てが、なっかたのだろうか?                起稿  2019.11.19

 

 

朝日新聞 2019年11月23日 朝刊を読んで

 見出し:村一番の嫁、三重介護の果て。敦賀3遺体 逮捕の71歳

 記事内容   上記とほぼ同じ事件概要なので省略する。

        ただし、次の追加見出しの内容を掲載する。

 

 見出し:孤立する家族「支援必要」

 記事内容

  「1歩間違えれば、事件を起こしたのは私だったかもしれない」。九州地方の女性の経験談が記載されている。そこまでいかずにとどまれたのは、見かねた担当医から「もう無理や。1人は施設に」と助言され、祖母を施設に入れた。「『嫁』の私から、施設に入れたいとは言えなかった。医師が無理やと言ってくれて『許された』と感じた」。記事の終わりに、老々・多重介護の世帯に行政などが定期的に接触し、実情を見極め、介護サービスにつなげていく仕組みが必要と結んでいる。別枠に介護者が困った時の電話相談先が明記されている。それはNPO法人介護者サポートと認知症の人と家族の会である。

 

 私見

  新聞が老々介護について注目して説明してくれたので少しは安堵している。介護についての「なんでも相談所」として、行政機関は全国に地域包括センター(包括さん)を配置している。包括さんの役割を一言も記載していないし、PRもしていないのは、非常に残念だ。私は地域の民生児童委員をしているが、高齢者の介護に関しては包括さんへ、その他の相談事は、社会福祉協議会(社協さん)と連携するように心がけている。このような体制、仕組みがあっても、それが十分に機能しずらい要因がある。その1要因として個人個人が持つ権利やプライド、自尊心、世間体、今までの慣習や考え方等である。完全な第3者が世話したくても、すぐには入りづらいことがある。新聞記事に記述ある担当医の「無理や」との一言が、介護地獄から脱出できる転記になったとの談話は、素晴らしい記事であったと思う。私は民生児童委員として、地域「何でも相談室」の委員も兼ねている。良い助言ができるように心がけたい。           起稿  2019.11.24

 

 

朝日新聞 2021年1月6日 朝刊を読んで  社会26面

 見出し:介護疲れ、夫・義父母殺害。 72歳妻 懲役18年 福井地裁判決(裁判員裁判)

 ダイゼスト:裁判では完全責任能力を主張する検察に対し、弁護側は「心神耗弱状態」と主張。被告の責任能力の程度が主な争点だった。被告は適応障害を発症したと認定したが、結果の重さなどから刑事責任は非常に重いとした。

 

 私見

  被告には、まず罪をくぐなってほしい。更に亡くなった方々のご冥福・回向を続けてほしい。

  現世地獄(介護地獄から回向地獄に変化)をしぶとく生き抜き、天命を全うしてほしいと思う。

                                    起稿 2021.01.06