2019年7月22日 共同通信 配信

 介護の障がい者死なせた疑い、札幌 ヘルパーの男逮捕、暴行か を読んで

 記事内容: 

 札幌東署は7月21日、介護相手の障害のある男性(35)を殴るなどして死亡させたとして、介護職員A(24)を逮捕した。介護職員は容疑を認め「寝付かなかったので腹が立った」と話しているという。逮捕容疑は19日午後5時半ごろから20日午前7時25分ごろ、札幌市内のYさんの自宅で、体の不自由なYさんの顔や胸を数回殴ったり、蹴ったりして、脳ヘルニアで死亡させた疑い。Aは市内の在宅介護サービスを行う事業所に勤務し、Yさん宅に泊まり込みで介護していた。

 

 私見

 本事案は記事として大きく扱っていないが実は大問題である。なぜなら解決策や対策法があまりに地味で、やり遂げることが大変だからだ。まず、介護無資格者は居宅介護に法律上、従事できない。ということは容疑者Aは、介護資格取得者である。すると、介護福祉の精神、介護の基礎知識、介護実技の講習(スクーリング)、介護の現場研修を経て、試験を受けて合格して、介護職員初任者研修資格(旧ヘルパー2級)証を取得しているのである。よって介護ヘルパー、ホームヘルパーなどと呼称される人達とまったく同じである。

 

 自分で介護サービスを勉強して、講習を受けて、試験も合格してなった介護ヘルパーである。自分は介護サービスにふさわしい性格か、相応しくない性格か、介護サービスをやれそうか、そうでないかは、資格習得の期間中にわかると思う。試験では人の性格や適性までは審査しない。自分は介護サービスに不向きであれば、無理に就職しなければよい。

 

 採用する事業所や会社は求人難の極みである。金髪、茶髪の若者でも、少々言葉遣いが荒くても、就職してくれるのなら、金の卵である、お試し期間(実際に介護サービスを見聞き実践させて、身体・精神的に耐えうるか見極める)を経てパスできれば、正社員として採用である。

 

 いったん採用してからが大変である。職場内の介護技術の研修、さらに介護人格形成の教育として言葉遣いや、職員としての躾をしなければならない。今は赤子を虐待して殺してしまう若い母親がいる世の中である。子供が言うことを聞かないので暴力(虐待)をふるう、また自分が遊ぶために子供が邪魔になるなどである。

 子供を養育したことがない若者が、若い障がい者の言動を介護福祉の心をもって対処しなければならない。時には兄弟げんかになっても不思議はないであろう。仕事上のストレス発散は、弱者への八つ当たり、虐待であることは想像つく。もし介護者の給料が医師並みの高額であり、仕事だからか我慢するか、仕事を終えれば、酒等で気分転換もできるであろう。10年たっても介護職員の賃金は平均的な賃金より、かなり低いと風評されている。いつになったら平均的な賃金になることやら。

 

 介護現場の職務体系には中高年層(50~60歳の壮年や高年中間管理職)が少ない。介護職場は20年ほどしか経験していない若い事業所である。よって介護職員の人格形成や躾教育をする中高年層の職員が少ないのである。この介護職員の人材育成こそトップクラス(責任者、経営者)の役割となっている。若い介護職員のやりがいを動機付けしながら、さらに30~40年も働いてくれる職員を育成していくのである。介護人材の育成は、介護事業所や会社のトップ理念の大きな柱の1本である。この理念は一朝一夕になしとげることは出来ず、継続して取り組まなければならない課題である。      投稿     2019.07.26