フレイルを知り介護予防

 フレイルとは「Frailty」(フレイルティー)を語源とする。日本語に訳すると、虚弱・老衰・脆弱等を意味する。

 

 2014年に日本老年医学会がフレイルの概念を提唱して普及に努めてきました。学会ではフレイルを健常から要介護へ移行する中間の段階といわれている。具体的には加齢による筋力の衰え、疲れやすくなり、家に閉じこもりがちになる等、年齢を重ねたことで、生じやすい衰え全般を示している。フレイルは身体的な問題のみならず、認知機能障害やうつ等の精神心理的な問題、更に独居や経済的困窮等の社会的問題が含まれる多面的な概念である。高齢者はフレイル時期に心身及び社会性等、広い範囲でダメージを受けた時、回復できる力が弱くなり、環境や外敵からのストレスに対しても、抵抗力が弱くなる。しかし、適切に支援を受けることで、健常な状態に戻ることができる時期ともされている。

 フレイルの原因

 加齢による様々な心身の変化と、社会的・環境的な要因が重なって起こる。その要因に次の項目がある。

*動くことが少なくなる。*社会的に交流する機会が減る。*身体機能の低下(歩くスピードの低下)。*筋力低下・筋肉量が減る(サルコペニア)。*認知機能の低下。*疲れやすくなる。*元気がわかなくなる。*日常管理が必要な慢性疾患にかかる。*体重が減る。*低栄養になる。*収入が減る。*孤独になる。

 この状況を、かかりつけの医師に相談しても、加齢によるものと回答され、薬を処方されることはない。

 フレイルの予防

 生活習慣病の進行を防ぎながら、運動機能・認知機能の低下を防ぎ、社会的な関わりを保ち続ける。

 *持病のコントロールを。*感染症の予防を。*日常生活に運動を。*バランスの良い食事を。*口腔・嚥下機能を保つケアを。*社会とのつながりを。

 

 私はフレイルという用語を、2021年6月上旬のTVニュースで知った。ニュース内容は高齢者が新型コロナウィルスの感染防止対策で、不要不急の外出はせず、家に閉じこもっている。この閉じこもりが、長期にわたっている。それで高齢者は、運動不足になり、更に精神的なストレスもたまり始めている。閉じこもり状態がさらに続けば、高齢者のフレイル状態になり、第三者の支援や介護が必要な状態になると警鐘したのである。

 

 65歳を過ぎると通常の生活に支障ない体調の変化等は、全て加齢によるものとあきらめている。近頃、私は高周波4khzが、聞こえなくなっている。医師に診察してもらった。検査の結果は加齢ですね。薬では治せないの? ありません。この前は治ったじゃないの。あの時は突発系難聴だったので、薬で治療できた。今回は耳の経年的な疲労劣化です。もっと悪くなったら、補聴器を利用しましょう。なるほど、補聴器の宣伝はあっても、難聴の治療に有効なサプリメント剤のTVコマーシャルは、見たことがない。

 

 新型コロナウィルス予防対策本部は、不要不急の外出を控えるように懇願している。高齢者はコロナに感染しないように、じっと息をひそめて家に引き籠っている。コロナが通り過ぎていくのを待っている。この引き籠りが、加齢によるとされている高齢者の心身の変化を、更なる老衰へ進ませているのである。仕方ないよ。

 やっとコロナのワクチンが接種できた。7月末までには2回目も予定している。それまでは、じっと我慢の日々である。オリンピックはTV観戦だ。         起稿    2021.06.19