使命感 

 介護福祉士とは、介護福祉士登録簿に登録され、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者である。このように社会福祉法及び介護福祉法にて、定義されている。

 実際に介護福祉士として介護サービスに従事している人に、上記の定義が仕事の動機付けに、なっているであろうか?私自身、介護福祉士の定義を明確に意識したことはなく、要介護者の生活上のお世話をしている程度の認識である。介護者は介護福祉士を家政婦としての認識しているが、介護についての指導者とは、ほとんど認識していない。

 施設入所の要介護者は、自分の身回りの世話をする人(介護士、介助士)と接する機会が増え、介護者(身内の人)よりも、身近に感じるようになる。認知症の方であると、たまに訪問する子供に「どちら様」と尋ねることさえ起りえる。施設内で四六時中、要介護者と介護士が顔を合わせていると、互いに親しみがわき、身内のように感ずるものである。

 このような生活環境下で介護サービスをしている時、もし、介護現場が新型コロナウィルスやノロウィルス等の感染症の危険を感じたら、介護士は要介護者へ感染しないように予防対策する。もし要介護者が感染したら、該当者の回復世話、他の要介護者への感染拡散を防ぐように行動する。このような介護士の行動は、介護士の定義や役割などで言い表せるものではないと思う。それは介護士としての使命感であろう。要介護者には介護士がいなければ、介護士に頼らなければ、生活様式が成り立たないのである。

 介護士をプロの職業といわせるには、専門的な介護知識及び技能を有することは当然であろう。更に、介護サービスを通じて、少しでも人様の役に立っているとの認識や自意識を持つことであろう。ちょっと、堅苦しい文章になったが、介護士は使命感をもって働いてほしいと思う。   起稿   2022.03.11