2020年3月1日 朝日新聞 朝刊 1面・2面を読んで  「特集;介護とわたくしたち」

 

 1面

見出し:88歳の一人暮らし 猫16匹と。 ペットの世話 訪問支援サービス外。

記事序文:

 介護保険スタートから本年4月で20年。この20年で大きく変わったのは、介護にかかわる家族の在り方だ。「独居」や「老々」世帯が増える家族変容のうねりの中でかっては想定されていなかった課題が生じている。

概要:(記事から抜粋)

 88歳男性は妻と死別して一人暮らし。子供はいない。「大事なものを盗まれた」と訴え、本人が警察官を呼んだ。警察は「猫が何匹もいてご本人は認知症のようです」警察は、男性の宅内が不衛生で気になるとして、介護の相談窓口(地域包括支援センター)へ依頼。窓口のMケアマネージャー(ケアマネ)は急いで介護保険の申請をした。認定は要介護度2である。訪問介護や通所での入浴、さらには配食サービス。お金の管理は成年後見人についもらう方向で調整。一番の課題は16匹の猫だった。介護保険ではペットの世話は出来ない。男性は「猫は元気の泉。本当の子供と思っている」と訴える。男性の気持ちを考えれば猫の殺処分は避けたい。Mケアマネは、キャットシッターと相談し、猫の去勢・避妊手術をすることにした。手術の費用は、Mケアマネが機会あるごとに寄付を募って対処した。Mケアマネは「福祉関係者、動物愛護団体、行政等で、介護とペット問題に対応できるネットワークを構築していかなければいけないのではないか」という。

 

 私見(ぼやき)

 私は上記の記事を読んで、ぼやきよりも無性に腹が立った。わがままな老人の身勝手な問題を、介護専門のケアマネが、なぜ対応しなければならないかである。老人に認知症があるので、ケアマネが介護認定を申請することは当然である。16匹の猫の問題は本来、介護とは無関係である。本来対処すべき人物は、社会福祉士や保健所、動物愛護団体であろう。訪問介護員(ホームヘルパー)は、人間(要介護者)の世話はするが、犬などのペットの世話はしない。当然のことである。ペットの世話が必要であれば、別人に無償・有償サービスで頼めば済むことである。

 ペットの世話に関するホームヘルパーの語り話を記載する。

 ホームヘルパーが、要介護者の居宅を訪問して、調理・配膳して、要介護者は食事の段取りとなった。ところが要介護者はすぐに食事を始めない。しばらく待てども、要介護者は、はしを持とうとしない。ホームヘルパーは不思議に思い、要介護者に尋ねると「庭にいる飼い犬と一緒に食事をしたい」とつぶやかれた。そこでホームヘルパーは犬に餌を与えた。犬が食べ始めたのを見て要介護者は食事を始めた。多くのホームヘルパーは、犬へ餌をやる程度のちょっとした世話なら致し方ないと、融通を利かせるのだが。

 

   2面

見出し:家族変容 揺らぐ介護。 独居・老々・・・「想定外」が標準に

 

  記事概要:介護保険は、若く体力のある家族がいる想定で作られた。現実は加齢で家事・介助ができない、仕事で介護時間がないなど、「想定外」の介護者が標準になっている。家族の変容を踏まえ、20年先の介護保険を見据え、問い直す時期に来ている。

 

中見出し1:76歳骨折 認知症の夫はだれが。

 記事概要:76歳女性が、5年前に認知症と診断された夫86歳を介護する、老々介護である。ところが、昨年11月。女性が転んで全治3ヶ月の大けがをした。この3ヶ月間、誰が夫の世話をするのだ。誰もいない。夫のケアマネが近隣の施設に電話するが「認知症で歩き回るのなら厳しい」と、10か所以上に断られた。入所拒否の理由は人手不足。女性は「本当に困った時使えないのなら何のための制度なのか。介護保険料をずっと払ってきたのに」という。

 

 

中見出し2:増える「息子が介護」見えぬ将来。

  記事概要:同居家族をだれが介護しているか。2001年と2016年を比べ最も増加率が高いのは息子である。「90歳母の介護が終わった将来、路頭に迷んじゃないかと不安があります」というのは、母と2人暮らし、55歳の息子さんである。息子さんは「親子で貯金は少ない。自分が大きな病気をしたらアウトです」という。いつまで仕事を続けられるか、親の年金がなくなった後の家計はーー。不安は「介護後」の自分の未来にある。

    

 私見(ぼやき)

 上記の2事例は、ごもっともと、いうしかない。ぼやくにぼやけない。

 

 認知症の夫の事例は、認知症を発症された時点で、施設入所を考慮しながら、施設のデイサービスや、ショートステーイを利用するなど、事前的な準備をされておればよかったと思います。介護関連には救急病院のような設備はない。介護施設は生活の場であり、救急病院ではない。

 

 息子が介護の事例は、手に技能や技術を持ってあるので、介護を終えられた時点で、介護関連施設や福祉施設などで、介護の経験が生かせる仕事につけると思います。

                           起稿     2020.03.04